第二大阪警察病院
診療のご案内
整形外科タイトル
整形外科の専門分野は脊椎、股関節、膝関節、肩関節、肘関節、手指の疾患、足の疾患、小児、関節リウマチ、スポーツ障害に分類されますが、第二大阪警察病院整形外科では全ての疾患の治療を行っています。
専門外来と治療の紹介
股関節専門外来(担当:西原、薮田)
人工股関節置換術
変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチなど股関節軟骨が消失した方に施行します。 8〜10cmの小さな皮膚切開で、MIS(最小侵襲手術)前方アプローチにて手術を施行しますので術後の回復が早いです。また先進技術であるコンピューターナビゲーションを使用しているため、術後脱臼を最小限におさえ動作制限のない生活が可能です。
人工骨頭置換術
大腿骨の頚部骨折に対し行っています。8-10cmの皮膚切開を用いた小侵襲手術を行っています。
股関節周辺骨折
大腿骨近位端の骨折や骨盤骨折に対する骨接合術を行っています。
膝関節専門外来(担当:林田、竹内、西原、薮田)
人工膝関節全置換術
変形性膝関節症、関節リウマチに行っています。8-12cmの皮切を用い、大腿四頭筋に傷を付けない小侵襲手術を導入しています。
単関節人工関節置換術
変形性膝関節症、膝関節部骨壊死症に対し行っています。6-10cmの皮切を用いる小侵襲手術を導入しています。 
膝関節周辺骨折
膝関節周辺の骨折に対する骨接合術も積極的に行っています。
前十字靱帯損傷、半月板損傷
肩関節専門外来(担当:林田、田中)
関節鏡下腱板断裂手術
腱板断裂に対し関節鏡視下に手術を行っています。
関節鏡下関節唇修復術
肩関節前方脱臼に対して関節鏡視下にBankart法を行っています。骨頭の欠損がひどい場合は棘下筋を欠損部に逢着する手術(Remplissage法)を併用しています。ラグビーなどの対人接触する機会の多いスポーツ選手では前述の手術では再発率が高いので、関節鏡でのBankart修復に烏口突起骨移植術(Bristow法)を併用します。これによりラグビーに復帰しても再発率は1%程度に減少します。
投球障害に対するリハビリ治療および鏡視下手術
診断が難しい投球障害に対し、豊富な経験を生かしプロおよびアマチュアの選手に治療を行っています。
手の外科、肘関節外科専門外来(担当:野口、手島)
◎手指の外傷(骨折、靭帯断裂)、神経損傷、腫瘍、変形性関節症など様々な疾患に対し専門的に治療を行っています。
◎肘関節の外傷(骨折、靭帯断裂)、神経損傷、変形性関節症に対し専門的に治療を行っています。
スポーツ整形外科専門外来(担当:田中、山崎、野口、武)
◎スポーツによる障害・外傷を専門的に治療しています。各スポーツ選手の種目、病状、スポーツ時期等を考慮し、選手が安全に早期に復帰できるような治療選択を行っています。
肩関節前方脱臼・亜脱臼
投球障害肩
膝関節前十字靱帯損傷、半月板損傷
足関節インピンジメント症候群
アキレス腱断裂
リウマチ関節外科(担当:竹内、野口、手島)
◎関節リウマチなどの膠原病疾患に伴う関節障害を外科的に治療しています。
膝関節疾患に対する治療について
治療法
  • 急性期の炎症反応が強い時には、しばらく安静にして、痛み止めの薬(消炎鎮痛剤)を使い、アイシングをして炎症を軽減させます。
  • 急性期の疼痛が軽減すれば、膝関節可動域訓練や大腿四頭筋筋力強化練習、ヒアルロン酸の関節注射等の保存治療を行います。
  • 内側の関節軟骨がすり減っても外側の軟骨や半月が残っている場合には、O脚を矯正する高位脛骨骨きり術や内側だけの人工膝関節置換術を行います。
  • 全体の関節軟骨が摩耗したり消失したりして疼痛が強い時には全人工膝関節置換術を行います。
主な疾患
1. 変形性膝関節症
加齢による変化や古いケガなどが原因となって膝関節の軟骨は減っていきます。程度がひどくなると、痛みが出現し、ひざの動きが悪くなっていきます。初期の場合には運動療法や関節注射等の保存治療で対処します。進行して内側の軟骨が主に傷んでしまった場合には、単顆人工膝関節置換術の適応となります。関節変形が進行して全体の関節軟骨がすり減り、O脚変形がひどくなった場合には、全人工膝関節置換術を行います。
2. 膝関節部骨壊死
膝の内側に特によくみられる状態で、骨の組織の一部に壊死が起こり、膝関節の内側が痛みます。骨の間のクッションの役割をする半月板が弱ったり、強い負荷がかかったりした時に小さな骨折を生じることが初期段階であり、そこから進行していくことが近年の研究でわかっています。骨折なので場合によって強い痛みが出ますが、小さな骨折はレントゲンでは診断できないことがほとんどです。MRI検査であれば小さな骨折でも診断できるだけではなく、半月板や靭帯の状況も把握できます。早期に診断できた場合や壊死の範囲が小さい場合には運動療法や装具療法、関節注射等の保存治療で軽減することがあります。ひどい痛みを早く取りたい場合や、保存治療でなかなか症状がとれない場合には、骨切り術や単顆人工膝関節置換術などの適応となります。
3. 関節リウマチ
自己免疫疾患のひとつで、膝関節も好発部位のひとつです。薬物療法の進歩によって、以前と比較して関節破壊の進行を抑制できるようになってきましたが、コントロールが不良で関節破壊が著明な場合には、全人工膝関節置換術の適応になります。関節が高度に変形してしまうこともあり、そのような場合は特殊な人工関節を用いて手術をする必要があります。
当院での人工膝関節手術について
当院では人工膝関節置換術に力をいれて取り組んでいます。この手術では傷んだ軟骨と一部の骨を取り除き、金属でできた人工関節部品を骨に固定します。大腿骨側の部品はその表面が動く面になります。脛骨部品の上に軟骨の代わりにクッションの役割をするポリエチレンインサートをはさみこみます。これで傷んだ関節面が人工のものに置き換わり、骨同士があたることも金属部品同士があたることもなくなります。人工膝関節では全体を人工関節にすることが多い(図1: 全人工膝関節置換術)ですが、膝の内側だけが傷んでいる場合は部分的に入れ替えることもあります(図2: 単顆人工膝関節置換術)。部分置換術では傷も小さく体の負担も少なくて済みます。
図1 全人工膝関節置換術
図1 全人工膝関節置換術
図2 単顆人工膝関節置換術
図2 単顆人工膝関節置換術
手術の特徴
1. 低侵襲手術(体の負担を少なくする工夫)
当院では8-12cmの傷から行っています。体の負担が最小限で済むように、筋肉や腱、靭帯などの正常組織をできるだけ傷つけないようにして行っています。
2. 3次元術前計画システム
人工関節は骨に対して正しい向きに、適切なバランスで設置することが基本なのですが、それほど容易にできることではありません。したがって術前からの計画が重要になりますが、高度な変形になるとレントゲン画像のみで術前計画を行うことが難しくなります。当院ではそのような場合にも対応できるよう、3次元術前計画システムを使用できる環境にしています。(図3)
図3 3次元術前計画
図3 3次元術前計画
3. 痛み対策
上記の工夫をしても、骨や筋肉には少なからず負担をかける手術なので、どうしても術後の痛みは避けられませんが、当院ではできるだけ楽にすごしていただけるように痛みの対策をしっかりと行っています。手術前から先回りして痛み止めのクスリを飲んでいただきます。手術中には関節の周りに痛みと炎症、出血を抑える薬を注射します(関節周囲カクテル注射)。また、術後2日間は専用機械を(図4)用いたアイシングを行い、その後もアイスパックによるアイシングを行なって痛みと腫れの対策をしていきます。痛み止めのクスリは翌日からも継続してもらい、効き目が十分でなければクスリの追加や変更を行います。医学の進歩で痛みを抑えるクスリも様々な種類が使えるようになっており、それぞれの状態にあったクスリを選んで使うようにしています。
図4 アイシングマシーン
図4 アイシングマシーン
4. 感染対策
頻度は多くありませんが、人工関節に感染を起こすと治療が難しくなることがあります。関節は本来無菌状態であるので感染に弱く、人工物に抗菌薬が届きにくい事情があるからです。少しでも感染が起こらないようにするため、体の中を清潔に保つことが大事であることがわかっています。当院では術前から歯科で口腔検診をうけていただき、口腔内衛生を保っていただくようにしています。また、手術はクリーンルームで行い、術後感染対策ガイドラインに準じて抗菌薬の予防投与を2日間行なっています。
5. リハビリテーション
理学療法士が対応します。術前の状態をチェックしておき、手術翌日から訓練が始まります。手術後の状態が安定したらリハビリテーションを重点的に行う病棟に移っていただき、訓練を継続します。その方の年齢、基礎体力、重症度、家庭環境などの状態によってリハビリテーションに要する期間は異なりますが、おおよそ3週間から4週間程度で退院になります。(図5: 術後レントゲンと動き)
図5 術後の動き
図5 術後の動き
股関節疾患に対する治療について
保存治療
  • 急性期で炎症が強い場合には、安静と痛み止めの薬(消炎鎮痛剤)などを使用して治療します。
  • 急性期の疼痛が軽減すれば、股関節可動域訓練、下肢筋力強化訓練を中心とした保存治療を行います
手術治療
  • 股関節軟骨が消失し、股関節痛が強く歩行や日常生活に支障をきたすようになれば、人工股関節置換術という手術治療を行います。
 人工股関節置換術前後のレントゲン
人工股関節置換術前後のレントゲン
当院の人工股関節置換術
・手術用ナビゲーションシステム
2018年より当院に導入しました先進技術です。
人工股関節のインプラントを高い精度で設置することができます。
人工股関節の脱臼を最小限におさえ、長期の耐久性を向上させます。
動作制限のない生活が可能です。
 ◆三次元コンピューター手術計画
手術用ナビゲーションシステム
術前に股関節のCTを撮影し、三次元データから患者様ごとに最適なインプラントを決定し、インプラントの最適な位置や方向を正確に計画できます。
 ◆ナビゲーション手術
ナビゲーション手術
・低侵襲手術(MIS: Minimally Invasive Su)
・筋腱温存型前方アプローチ(DAA: Direct Anterior Approach)
8〜10cmの小さな皮膚切開で、前方アプローチにて股関節を手術します。
筋腱を温存する低侵襲手術(MIS)ですので、手術後の回復が早く、早期の社会復帰が可能です。
人工股関節の脱臼を最小限におさえ、動作制限のない生活が可能です。
入院から退院までの流れ
入院から退院までの流れ
1.慢性疾患
① 変形性股関節症
関節軟骨は40歳ぐらいから老化が始まり、軟骨の水分が少なくなります。水分の少なくなった軟骨は弱くなるため、体重を支えにくくなります。もともと骨盤の屋根の部分(臼蓋)に形成不全があると、体重を支える面積が狭いため、早く軟骨がすり減ってしまいます。軟骨がなくなると骨と骨が擦れるため、ゴリゴリ音がしたり痛みがでてきたりします。体重が重い場合、下肢の筋力が弱い場合、関節周囲の骨折の後に変形がある場合などは、早く悪化していまいます。 まずは股関節の動きをよくするストレッチ訓練と下肢筋力強化練習(大殿筋、中殿筋、大腿四頭筋など)を行います。体重の重い方は減らしてもらうことによって痛みが軽減する可能性があります。疼痛が軽度の場合には保存治療が中心ですが、変形と疼痛が強くなれば、人工股関節置換術が必要になります。
② 大腿骨頭壊死症
副腎皮質ステロイドを内服している人やアルコールをたくさん飲む人に起こりやすい病気です。大腿骨頭を栄養している血管の血行障害が生じ、その先の骨頭が死んでしまう(壊死を起こす)病気です。一度骨が死んでしまうと再生しないため、体重を支えきれずに圧潰(あっかい)を起こすと変形が進行して痛みが強くなります。疼痛が軽度の場合には保存治療が中心になりますが、変形と疼痛が強くなれば、人工股関節置換術が必要になります。
③急速破壊型股関節症
60〜80歳の方に多く、半年から1年の比較的短期間で急速に股関節が傷んでしまう病気です。初期の段階で診断することが難しく、一旦傷んでしまうと急速に進行するため、早期に人工股関節置換術が必要です。
④関節リウマチ
全身の関節の炎症が起こる疾患で、関節の内側にある滑膜に炎症が起こります。最近は薬による治療方法が進歩しましたが、コントロールが悪い場合には、炎症によって関節全体の軟骨がすり減り、軟骨が無くなると骨同士がすれ合って痛みが持続します。軟骨が消失した場合には人工股関節による治療が必要です。
2.外傷
①大腿骨頚部骨折
高齢者が転倒すると起こしやすい骨折の一つです。歩行能力の低下、認知症の発生、肺炎、静脈塞栓血栓症、合併症の悪化等の危険性が高いため、できるだけ早期に手術をして離床することが重要です。骨折部のずれ(転位)が軽度のものに対しては観血的整復固定術、ずれが大きいものに対しては人工骨頭置換術を行います。
②大腿骨転子間骨折
高齢者の転倒にて起こりやすい骨折の一つです。大腿骨頚部骨折と同様に種々の合併症を引き起こす可能性が高いため、できるだけ早く手術をして離床することが重要です。観血的整復固定術による治療を行います。
③大腿骨転子下骨折
転倒や交通事故などによっておこることが多い骨折です。早期の離床には観血的整復固定術が必要です。
④大腿骨骨幹部骨折
転倒や交通事故などによって発生しやすい骨折です。早期離床のために観血的整復固定術を行います。
3.その他
股関節炎、股関節周囲炎、一過性大腿骨頭骨委縮症、弾発股など
診療実績
(大阪警察病院時代の診療実績となります。)
術式など 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
頚椎椎弓形成術 47 52 37 39 26 39 47 56 56
頚椎固定術 10 11 12 13 22 14 9 23 15
胸椎固定術 9 10
腰椎椎弓形成術 44 32 42 29 15 2 0 0 0
直視下腰椎髄核摘出術 4 5 7 5 6 17 11 14 14
内視鏡下腰椎髄核摘出術 17 16 27
内視鏡下腰椎椎弓切除術 6 4
腰椎固定術 22 48 33 34 54 40 57 77 76
腰椎開窓術 29 40 25 13 32 48 47 58 83
人工膝関節置換術 92 94 74 74 74 74 61 80 84
人工膝関節再置換術 4 1 0 0 0 2 2 5 3
人工骨頭置換術 12 14 28 22 32 18 23 26 23
人工股関節再置換術 4 8 6 4 2 2 2 4 2
人工股関節置換術 41 44 24 34 34 29 49 57 78
関節鏡下腱板修復術 86 88 80 80 101 112 127 102 105
肩関節脱臼手術 31 23 37 26 55 68 78 88 93
人工肩関節置換術 9 13 15 13 16
関節鏡下肩峰形成術 33
骨折観血的手術 104 133 155 176 188 200 192 171 179
手根管開放術 24 18 16 29 19
尺骨神経移行術 10
その他 179 132 141 207 184 191 165 207 187
合 計 709 725 701 756 858 887 916 1041 1117
※単位は件数です
診察スケジュール・担当医
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後
林田
竹内
有賀
田中
手島
当番医
林田
竹内
有賀
田中
手島
林田
(予約)
和田
野口
山下
当番医
和田
野口
山下
田中
西原
田中

野口
担当医
西原
田中
野口
竹内
有賀
薮田
手島
担当医
竹内
有賀
薮田
林田
手島
和田
西原
薮田
橋本
山下
当番医
和田
西原
小谷
橋本
※ 午後は予約診療のみとなります。
担当責任者:林田副院長