

1.特徴
当院では消化器外科、乳腺外科の広い領域にわたり手術を行っている。悪性疾患の治療に力を注いでいるが、良性疾患の治療も精力的に行っている。特に低侵襲手術としての腹腔鏡下手術は結腸・直腸癌の80%を占め、早期胃癌や肝癌などにも適応を広げている。また胆のう摘出術、脾摘出術、虫垂切除術、鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、直腸脱などの良性疾患の手術にも腹腔鏡手術が適応されている。2015年度の手術件数は総数653件、そのうち全身麻酔手術件数は592件であった。
主な内訳は、食道癌12、胃癌86、大腸癌108、虫垂炎29、痔核・痔ろう21、
肝細胞癌7、転移性肝癌4、胆嚢癌2、胆石症など82、鼠径ヘルニア74(うち腹腔鏡下60)、乳癌74などであった。
また学術活動にも力を入れており2015年度の論文(共著を含む)は英文7、
日本語4、学会発表45件、学会座長・司会6件であった。専攻医の3年間には学会発表はもちろん論文作成も必須として指導している。
2.指導体制
各種学会の指導医、専門医が多数在籍しており、責任を持って指導できる体制が整っている。(表1)(表1)
日本外科学会 | 指導医 3、専門医 7、認定医 4 |
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日本消化器外科学会 | 指導医 3、専門医 5、認定医 1 |
日本内視鏡外科学会 | 技術認定医(大腸) 1 |
日本大腸肛門病学会 | 指導医 1、専門医 2 |
日本乳癌学会 | 専門医 1 |
日本消化器病学会 | 専門医 2 |
日本がん治療認定医機構 | がん治療認定医 2 |
3.研修プログラム
当院の研修プログラムの特長として、開腹手術と腹腔鏡手術にわけた年度別到達目標を作成していることにある(表2)。腹腔鏡下手術を術者として行えるように教育するが、開腹手術で外科基本手技を習得し、また鏡視下手術の開腹移行にも対応できることにも重視したプログラムとなっている。また上部・下部消化器内視鏡検査、外来診察、化学療法なども上級医の指導をうけつつ単独でこなせるようにしている。 年度別到達目標(表2)
開腹手術 | 腹腔鏡手術 | |
前期研修〜 1年目 |
虫垂切除、鼠径ヘルニア術者 | スコピスト、胆嚢摘出術者 |
2年目 | 結腸切除術者 | 鼠径ヘルニア術者 |
3年目 | 胃・肝・膵切除術者 | S状結腸癌術者 |