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PRP療法
PRP療法とは…
自分自身の血液を用いて痛んだ組織を修復させる力を引き出す治療法です。どんな治療を行うの?
患者ご自身の血液から、血小板を多く含んだ血漿(PRP)を作製し、患部に直接注射をします。なぜ効果があるの?
血小板は血液を固める/組織の修復を促す成長因子を出すという大きな2つの働きを持っています。組織を修復する力と組織を破壊する力にアンバランスが生じると、自分で自分を治す力が弱くなってしまいます。そこで、血小板を多量に含んでいる血漿(PRP)を傷んでいる部分に注入することで、自分自身がもともと持っている修復力を引き出します。
代表的な適応疾患
肉離れ、靭帯損傷、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)、アキレス腱障害、足底腱膜炎、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)※ 変形性関節症等に対する関節内注射は適応外となっております。
膝蓋腱炎
お皿の骨(=膝蓋骨)のすぐ下に痛みが出る疾患で、膝蓋腱の一部に炎症が慢性的に続くことで腱の変性が起こるオーバーユース障害です。腱の変性が進行すると痛みがなかなか取れない事も少なくありません。保存療法として遠心性収縮の運動療法が効果的ですが、長期的にはPRPの有効性が示唆されています。すなわち、PRP療法はすぐに痛みを取るというよりは、変性した腱を時間をかけて再生させ除痛を得ることを目指す治療法と考えられます。PRP療法の前の診察では、身体所見のほか、MRIとエコーで病変の範囲や病期を精査し、見込まれる効果を検討します。PRPの注射は、エコーで見える病変の範囲に細い針で少量を多数注入する方法があります。病状に応じて、1〜2週間空けて、1〜3回注射を行います。注射後1、3、6、12ヶ月に定期観察を行います。
ハムストリング肉離れ
アスリートにとって長期の離脱を余儀なくされる怪我で、復帰後も10〜30%台の再受傷率が報告されています。肉離れの分類のうち腱膜損傷(JISS分類 II型)では、腱膜の再生促進を狙ったPRP療法は良い適応と考えられます。1週間程度の復帰期間の短縮や、再断裂率の低減があったという報告もあり、プロのアスリートがPRP療法を受けたという話も聞かれます。受傷後最短2日で行った報告もありますが、治癒機転を考えると基本的には受傷後1〜2週間がPRP療法の良い適応と思われます。PRP療法の前の診察では、身体所見のほか、MRIで受傷部位と重症度を精査し、適応について検討します。1回または1週間あけて2回のPRPの注射を、エコーを見ながら行います。注射後1、2、3、6、12ヶ月に定期観察を行います。
※ PRP療法は、保険診療で行うような局所麻酔+ステロイド注射と比べ、注射時の痛みが強いとされています。特に下肢対象の注射は、帰宅時の歩行が辛いこともありえることをご了承ください。
PRP療法を受けられない方
- 悪性腫瘍にかかっている、またはかかったことがある方
- 重篤な併存症(心疾患、脳梗塞、肺疾患、肝疾患、腎疾患、出血傾向、コントロール不良な糖尿病および高血圧症など)がある方
- 感染症にかかっている方、発熱のある方
- 薬剤過敏症の既往歴のある方
- 妊婦および妊娠をしている可能性のある方
- 抗凝固作用のある薬、リウマチ・自己免疫疾患に対する薬を内服されている方
- その他、注射部位の皮膚感染症など、この治療を行う医師が不適当と判断した方
費 用
- PRP療法の費用は、33,000円(税込)となります。なお、当費用には治療に伴う診察、自家PRP調製のための採血にかかる費用、自家PRP調製費用、注射費用が含まれます。
- PRPはすべて保険外診療(自由診療)となり、保険診療との混合診療(投薬、リハビリ等)はできません。
PRP療法のながれ
- 初回診察においてPRP療法が適応可能か確認します。
- PRP療法の実施日を調整・予約を取っていただきます。
- 実施日当日は、採血→PRP調整→注射→経過観察を行います。採血とPRPの注入は診察室もしくは処置室で行われます。
- 以降は定期的に健診を行い、痛みが改善しているか、合併症が起こっていないかを調べます。
施設認定について
当院は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」第40条第1項の規定に則り、施設認定および再生医療等提供計画に関する届け出を提出・認定を受けております。