令和３年度 第二大阪警察病院 病院指標

当科では地域の中核病院として腎疾患全般について治療を行っています。健診の尿検査異常については、腎生検などによる原因検索を行い、その原因（一次性腎疾患：慢性腎炎症候群やネフローゼ症候群など、二次性腎疾患：糖尿病や膠原病など）に応じた治療を行います。水・電解質異常や酸塩基平衡異常についても対応しています。急性腎不全の治療や慢性腎不全の保存的治療、腎代替療法の導入も行っています。透析導入後の合併症による入院についても、できる限り受け入れを行っています。

当科では、関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・強皮症・皮膚筋炎や多発性筋炎・血管炎・ベーチェット病・シェーグレン症候群・成人スチル病などの自己免疫疾患や膠原病を対象として、整形外科及び皮膚科と緊密な連携による診療を行っています。
特に関節リウマチにおいては、最新治療である生物学的製剤やJAK阻害薬の導入も積極的に行い、副作用の管理を含めきめ細かい対応が可能です。
また、これらリウマチ膠原病疾患に合併した感染症への対応だけでなく、原因不明の発熱の鑑別や、気管支喘息など成人のアレルギー疾患の診療も行っています。

血液内科では、造血器腫瘍や血球異常、凝固異常などの血液疾患の診療を行っています。造血器腫瘍としては、主に悪性リンパ腫、白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫の化学療法を行っています。これらの疾患の化学療法は多岐にわたり、また、新しい治療法が続々と生まれています。当科では標準治療を中心としながら、患者さんごとの個別化治療を行うよう心がけています。近年では、分子標的療法、抗体療法などの新規治療薬が次々に登場していますが、当科では、これらのほぼすべてを活用するよう務めています。また、同種移植などの治療が必要な際には、各大学病院、大阪国際がんセンターなどの施設とスムーズに連携し、治療が途切れないよう心がけています。

整形外科では、主に上肢の障害および外傷とスポーツ障害および外傷に対する診療を行っています。 肩、肘、膝関節の専門医が各関節の障害及び外傷に対応しています。反復性肩関節脱臼や肩腱板断裂などの肩関節疾患、半月板損傷や靭帯損傷などの膝関節障害に対しては低侵襲な鏡視下手術を行っています。手の外科に関しても専門医が対応する体制としており、精力的に治療にあたっています。

皮膚科では、皮膚疾患を幅広く診療しておりますが、特に入院治療の場合、難治性皮膚潰瘍・膠原病・感染症を、外来では、乾癬・アトピー性皮膚炎・蕁麻疹などの疾患やレーザーによる美容皮膚科、陥入爪などの加療を専門的に行っています。
当院では、膠原病や糖尿病・腎不全などを基礎疾患にもつ皮膚科症例が多く、重症例については入院加療により、膠原病リウマチ科・糖尿病内科・腎臓内科・循環器内科や整形外科など、他診療科とも密接に連携し、治療にあたっています。

眼科では、眼科疾患を幅広く診療しています、とりわけ白内障手術・網膜硝子体 手術・緑内障手術を中心に診療を行っています。抗VEGF薬の硝子体注射・外眼部手術（翼状片・結膜弛緩など）等にも対応可能です。
令和元年11月からはアイセンターとして外来と手術室を一体で運営しており、手術は入院・日帰りの両方が可能です。また、膠原病リウマチ科・糖尿病内科・腎臓内科・循環器内科等とも密接に連携して 治療にあたっています。

末期腎不全となり、腎代替療法として血液透析を導入する方に対し内シャント造設術を行っています。

整形外科ではスポーツ関係とくに肩関節脱臼に対する手術が最も多く、たくさんのスポーツ選手をサポートしています。その次には肩腱板断裂手術が多くなり、肩関節疾患の手術は関西でも多い病院の一つとなります。それ以外にも骨折観血的手術（前腕、鎖骨、手舟状骨）が多く、スポーツ障害だけでなく、多くの外傷手術も手掛けています。手術だけではなく術後のリハビリにも重点をおいて治療にあたっています。

令和元年11月よりアイセンター（眼科）として幅広い眼科疾患に対応しています。なかでも、白内障手術・網膜硝子体手術・緑内障手術を中心に診療を行っており、入院手術・外来手術（日帰り手術）のいずれも可能です