第二大阪けいさつ病院
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臨床検査科
検体検査部門
当院の臨床検査科 検体検査部門では臨床検査技師15名、採血業務専任の看護師4名、受付クラーク1名の計20名のスタッフで検査結果を迅速に報告できるよう、受付・採血から検査実施までを同一フロアの隣接場所に集約して行っています。
車椅子や押し車をお使いの患者さんが動きやすいよう採血場所のスペースを広く取り、落ち着いた環境で安心して採血を受けていただくことができるように心掛けています。
検体検査は患者さんから採取された検査材料を用いる検査で、血液、尿、便をはじめとし、その他さまざまな材料を対象に検査を行います。主な検査についてご紹介します。

①生化学・免疫学検査
血液を採取して、固まってから遠心分離を行うと血液は血球成分と血清と呼ばれる上清に分かれます。
この血清中に含まれる様々な物質を測定する検査で、アルブミン、グロブリンなどの蛋白、ASTやALT、γ-GTP(肝機能)などの酵素、BUN、クレアチニン(腎機能)などの無機質、また糖代謝機能の指標となる糖、HbA1c、脂質代謝機能の指標となるコレステロール、中性脂肪などの測定を行います。 その他、肝炎ウイルスや自己に対する抗体(自己免疫疾患関係項目)、腫瘍マーカー、ホルモン(内分泌機能)の測定を行います。

②血液学検査
血液中の血球数(赤血球、白血球、血小板)、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などの測定を行います。貧血がないかを調べるのが大きな役目ですが、顕微鏡を使って血球の形態を調べることにより機械では検出できない異常な細胞を見つけたり、疾患に関連する特徴的な形態変化なども調べています。
また、出血が止まりにくかったり血栓が出来やすかったりするなどの血液凝固機能の異常を調べる凝固・線溶系検査も血液学検査の分野です。

③微生物学検査
細菌による感染を受けた臓器の分泌物や血液などから、病気の原因となっている菌を調べる検査で、検査材料は血液、尿、便、喀痰など多岐にわたります。
採取された検査材料を培養し、菌を増やしてから菌種により異なる性質を詳しく調べることで感染症の原因となっている菌を同定(特定すること)します。
また、薬剤感受性試験という、どの薬がどれくらいの濃度で効くかを調べる検査を行い、効果的な薬剤の選択や至適濃度の判断に役立つ情報を報告します。
微生物学検査
生理機能検査
生理機能検査とは、直接患者さんと接して身体の状態を調べる検査です。
当検査室では、現在9名の臨床検査技師が在籍しており、患者さんの検査を担当しています。
検査内容は大きく分けると循環機能検査、呼吸機能検査、神経生理検査、超音波検査があります。
・循環機能検査: 心電図、マスター負荷心電図、ホルター心電図、血圧脈波(ABI)、皮膚灌流圧(SPP)
心電図検査では、心臓の動くときに生じる電気信号を記録する検査で、脈の乱れ や 胸の痛み、動悸などの症状の原因を調べます。ABI検査は、両腕・両足首の血圧を同時に測定することで、血管の詰まりや動脈硬化などを調べます。
・呼吸機能検査: 肺機能、呼気NO、呼吸抵抗、薬剤可逆性、睡眠時無呼吸症候群(SAS)簡易、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)
息を吸ったり、吐いたりして肺の能力を調べる検査で、呼吸器の病気が疑われるとき や 手術前の検査として施行されます。当院では新たにモストグラフ(総合呼吸抵抗測定装置)と呼気NO測定器が導入され、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断、治療効果の確認に役立っています。その他、睡眠時無呼吸症候群に関する検査も施行しています。
・神経生理検査: 神経伝導速度、咀嚼筋、脳波
脳波検査は、脳から発生する電気信号を記録する検査で、てんかんや意識障害など脳の機能障害の有無を評価します。神経伝導検査は、神経を直接刺激することにより手や足のしびれなどの原因を調べます。
・超音波検査: 腹部、心臓、頸動脈、血管、甲状腺、乳腺、関節など
人の耳では聞くことの出来ない周波数の高い音(2万Hz以上)を超音波と言い、この超音波を身体にあて、音の反射を利用して臓器を写し出して診断する検査です。エコー検査は痛みや被曝がなく、安全で繰り返し検査が可能です。